引き渡しがゴールじゃない。リフォーム後のメンテナンスは1年・5年・10年で何をする?
きれいになった、その先の話
リノベーションが完成して、新しくなった住まいで暮らし始める。あの瞬間の喜びは、何度立ち会わせていただいても嬉しいものです。
ただ、私たちがお客様にお伝えしているのは、引き渡しはゴールではなく、新しい住まいとの付き合いのスタートだということです。
どれだけ丁寧に工事をしても、住まいは時間とともに少しずつ変化していきます。塗装は紫外線で劣化し、シーリングは硬くなり、設備には寿命があります。逆にいえば、変化のタイミングをあらかじめ知っておけば、慌てずに、計画的に、しかも安く備えることができます。
今回は、橿原市・香芝市・大和高田市・広陵町など奈良中南部エリアでリノベーションを終えられた方、これから検討される方に向けて、引き渡し後に何をいつ点検・交換していけばよいのかを「メンテナンスカレンダー」として整理しました。
【1年目】まずは初期の不具合を洗い出す
工事から1年ほど経つと、木材の乾燥や建物の動きによって、細かな不具合が出てくることがあります。
- 建具(ドア・引き戸)の開閉が重くなっていないか
- クロスの継ぎ目にすき間が出ていないか
- 木部にわずかな反りやすき間が生じていないか
- 水回りで水漏れやにおいの発生がないか
これらの多くは、木材が生きている以上ある程度は起こりうるもので、調整で解消できるケースがほとんどです。大切なのは、保証期間内に伝えること。1年点検のタイミングで気になる点をまとめて相談しておくと、後々の負担が変わってきます。
小さなことでも遠慮せずにご連絡いただくのが、住まいを長持ちさせる一番の近道です。
【5年目】見えないところの節目が来ます
5年目に意識していただきたいのが、シロアリ対策です。
公益社団法人日本しろあり対策協会では、認定薬剤の有効期間を5年までと定めています。これは「5年を超えて長期間効果が持続する薬剤は環境への影響が懸念される」という考え方によるもので、協会もこの5年を目安に再処理を行うことを推奨しています。防除工事の保証期間も、5年に設定されていることが一般的です。
奈良中南部エリアは、床下の湿気が問題になりやすい地域でもあります。5年目には、床下の状態とあわせて確認しておきたいところです。
このほか、5年前後で目を向けたいのが次の項目です。
- ベランダ・バルコニーの防水層の状態
- 木部(ウッドデッキ、玄関まわりの木部)の塗り直し
- 網戸の張り替え
【10年目】いよいよ本格的な節目
10年目は、住まいのメンテナンスにおける最大の山場です。ここでまとまった費用が必要になることが多いため、引き渡しの時点から少しずつ積み立てておくことをおすすめしています。
外まわり
シーリング(コーキング) 外壁の目地や窓まわりに使われるシーリングは、おおよそ10年に1度のメンテナンスが必要とされます。硬化してひび割れると、そこから雨水が浸入し、内部の木材を傷める原因になります。
外壁の塗装 窯業系サイディングの場合、塗料の劣化により築7〜10年ごろに塗装によるメンテナンスが必要とされることが一般的です。一方、ガルバリウム鋼板は15〜20年が一つの目安とされ、素材によって周期が異なります。
なお、外壁材・シーリング・塗料はそれぞれ耐用年数が違うため、最も寿命の短いものに合わせてメンテナンス時期が決まるという点は知っておくと役立ちます。
設備
住宅設備の多くは、10年が一つの区切りになります。
| 設備 | 交換・点検の目安 |
|---|---|
| ガス給湯器 | 設計標準使用期間10年。メーカーも10年での点検・取り替えを推奨 |
| エコキュート | 10〜15年(ヒートポンプユニットと貯湯タンクで異なる) |
| ビルトイン食洗機 | 約10年 |
| 換気扇・レンジフード | 10年前後 |
忘れられがちな火災警報器
意外と見落とされているのが、住宅用火災警報器です。内部の電子部品に寿命があるため、消防庁は設置から10年を目安に本体の交換を呼びかけています。電池切れではなく、本体ごと替えるという点がポイントです。
「まだ音が鳴るから大丈夫」と思われがちですが、いざというときに作動しなければ意味がありません。リノベーションの引き渡し日を基準に、10年後を手帳やスマートフォンのカレンダーに入れておくと確実です。
【15年目以降】次の大きな判断へ
15年から20年が経過すると、屋根の葺き替えや、給排水管の更新といった、より大きな工事の検討時期に入ってきます。
この頃には、ご家族の状況も変わっているはずです。お子さんが独立したり、ご自身の体力が変化したり。単なる修繕としてではなく、「これからの暮らしに合わせて住まいをもう一度見直す」という視点で考える時期でもあります。
費用を抑える3つのコツ
1. まとめて工事する
外壁塗装も屋根の葺き替えも、足場を組む必要があります。足場の設置には数十万円かかることも珍しくないため、時期が近い工事はまとめて行うほうが総額を抑えられます。「あと2年で屋根も時期が来る」と分かっていれば、外壁と同時に検討する判断ができます。
メンテナンスカレンダーを持っておく最大の利点は、実はここにあります。
2. 早めに気づく
雨漏りは、シミが天井に出た時点ですでにかなり進行しています。早期に発見できれば数万円の補修で済んだものが、放置したことで構造材の交換まで必要になり、数十万円規模になることもあります。定期的な点検は、結果的に費用を抑える手段です。
3. 積み立てておく
10年目の外壁・シーリング・設備交換は、合計するとまとまった金額になります。マンションに修繕積立金があるように、戸建てでも自主的に備えておくと、いざというときに選択肢が狭まりません。
引き渡しの後も、お付き合いは続きます
フランが目指しているのは、手間と時間をかけ、丁寧にお客様の問題解決をする住まいづくりです。それは工事が終わった瞬間に終わるものではありません。住まいは完成してから何十年も使われるものであり、そこからが本当のお付き合いだと考えています。
また、創造工舎が運営する「なら住宅診断LABO」では、住宅診断をご利用いただいたお客様に対して、ご利用後のアフターサービスをご用意しています。工事の有無に関わらず、建物のコンディションを客観的に確認したいときにもご相談いただけます。
「そろそろ外壁の時期かもしれない」「給湯器の調子が最近おかしい」——そんな小さなサインに気づいたときが、ご相談のタイミングです。以前に工事をさせていただいたお客様も、まだお付き合いのない方も、どうぞお気軽にお声がけください。
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