昨日の節分はみなさま巻き寿司を召し上がられましたか?
私もしっかりいわしと共にいただきました。
お寿司っておいしくて私も家族も大好きですが、
そんなお寿司がどうして出来たかを知る機会がありましたので、
紹介させていただきます。
先日柿の葉寿司の工場に見学に伺いました。
小雪ちらつく寒い頃でしたが、工場内は暖房もあまりきいておらず、
寒いなぁなんて思っておりましたら、食品を扱う工場なので、
温度を低くしているとのこと。
なるほど、製造に携わる方々も大変だなぁと思いました。
工場長の方に柿の葉寿司の歴史などを教えていただきました。
お寿司の歴史にも実に深い流れがあるようで、「山婆と牛かた」にもありますが
昔は新鮮なお魚を内陸に運ぶ技術がありませんから、魚を塩漬けして山を越えて
内陸へ運ぶなどといろいろと工夫していたそうです。
(鯖街道なんてのもありますね)
お寿司のはじめはそうしたお魚の保存方法のひとつで、
琵琶湖周辺などで鮒寿司ってのがありますが、あのようにお米に魚を漬け込んで、
醗酵させて食べるというなれ寿司だったそうです。
お酢が普及し始めて、それを利用した早寿司ができました。
関西では押し寿司、関東では江戸前寿司とありますが、
関西の押し寿司は塩・お酢で〆て空気を押し出したもの、
関東の江戸前はもとは生ではなく漬けにしたものを酢飯で握ったもので、
後にあぶったり、たれをつけたりといった細工をしたものになりましたが、
いずれもお魚をよりおいしいまま日持ちさせていただく知恵だったそうです。
ちなみに昔は鮨という魚を旨くして食べるという字をつかっていましたが、
今のように普及していなかったので、ある時「寿司」という寿を司るという字に
したところ、お祝い事などに使われるようになり普及したとか・・、
語呂合わせや当て字、縁起担ぎの好きな日本人だけに名前一つで
そんなに影響力があるんですね。
さて、柿の葉寿司はその押し寿司の一種で、吉野地方で和歌山から
山を越えてくる塩漬けした鯖を薄く切り、酢で〆たご飯にのせ柿の葉で巻き、
木でできた四角い桶のようなものに隙間無く並べいれ、上から重しをかけて空気を抜き、
醗酵させていったもので、数日いただくことが出来たのだそうです。
今の柿の葉寿司は昔とはやはり変わってしまっていて、そこまで醗酵させませんし、
按配もずいぶん違うようですので、やはり作って2日目ぐらいがおいしく、
3日ぐらいまでで食べた方がいいとのことでした。
ちなみに、柿の葉寿司のお魚が薄くスライスしてあるのは、
塩漬けの魚を使うので、薄くないと塩辛くて食べられないとのこと、
歴史がわかるとなるほどです。
当日は私も作るのを体験させていただきました。
といっても、材料をいただき、柿の葉(塩漬けしてあるそうです)で
くるんで箱詰めするというだけですが。
結構面白く、帰宅して子供たちとおいしくいただきました。
ところで、工場の製造工程を見学した際、まず感心したのは
衛生面の工夫です。
職員の手洗い、消毒はその手洗い用水道も専用の洗浄水を全館に配管したり、
服装も何十にもなっていたり、その上でさらに清浄したりと
髪の毛一本ほこりひとつ入らないように管理されておりました。
また工場内の窓枠などは全て斜めになっていて、
ほこりがたまらないようになっていましたし、床には活性炭が練りこまれていました。
安心安全のためにここまで徹底しておられることはあたりまえかもしれませんが、
大切なことだと思いました。
私どもの工事にもこういったチェック監理体制がございますが、よりひとつひとつを
きっちりと間違いなく日々続けていくことが大切だと改めて感じました。
そんな監理された空間の中、材料はオートメーションでつくられていました
(大きなお釜が流れていました(写真))が、包んでおすしにしていくのは
やはり全て手作りで、一人1時間に600個でしたか、とにかくすごくたくさん作れる
熟練した方々が一生懸命作っておられました。
そうそう、こちらの工場はオール電化になっておられるそうで、
食品工場にもオール電化の波がきていますね。
フラン 設計 南