久し振りに歴史書を読んだ感想です。
集英社版、日本の歴史 全21巻+1巻の第⑧巻 “南北朝の動乱”です。
歴史好きの私ですが、南北朝の時代はあまり知らずにいました。
その理由は多分学生時代にあまり文献が無かったせいでは無いかと思っています。
私の中で空白に近かった時代の事を沢山知る事が出来た書物でした。
例えば中世の..天皇では“後醍醐天皇”しか知らなかったのですが、
その天皇が南朝の創始者とは知りませんでした。
そして南北朝時代は室町時代の創始期、3代義満までの短い時期であった事。
南朝の滅亡は楠木 正成の死去によるものと早合点していたが、
後醍醐天皇が吉野の金峰山に於いて南朝の形態を確立したのは、
その半年後であった事にも驚きました。
嫡男正行の死後も南朝は約44年間存続を続けていたのです。
又この時代は、中世において最も民衆活動が活発であったらしいのです。
さらに民の経済活動も盛んになり富裕層も形成せれつつあったようです。
交易に関しても、国以外に豪族・有力商人達も琉球・朝鮮半島や中国大陸に向けて、
船を出していた事は本当に驚きです。日本海の廻船による、蝦夷地や北方との交易も
この頃に確立された様です。
さてこの南北朝問題の根本は、南朝に対抗して足利 尊氏が擁立した天皇の血脈に、
やや疑問が有るとされた見解がその全てであり、現在の天皇家がその北朝の側であることに
よるものと私は思っています。
私はこの事を問題にするのはおかしいと考えています。諸外国の王室の歴史など垣間
見ても、様々な状況があり、長い王家存続の一時期に多少の曲折は当然と考えています。
むしろ、現代において女帝が承認されていない事の方がよほど問題なのではないでしょうか…。
伝統や文化を守り伝え、国民の憧れとなるご家族となって頂き、国を代表して
諸外国との交流の軸となって頂きたいと願う所であります。 以上
景山 浩道